「RENT」は2005年にアメリカで公開された映画。監督はクリス・コロンバス。
プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」を原作としたブロードウェイミュージカル「RENT」の映画化です。ミュージカル版のオリジナルキャストのうち、6名が同役で出演しており、話題となりました。
あらすじ
舞台は1980年代のニューヨーク。映画監督を目指すマーク、ミュージシャンのロジャー、ストリップダンサーのミミ、パフォーマンスアーティストのモーリーン、弁護士のジョアンヌ、ドラッグクイーンのエンジェル、MIT教授のコリンズ、以前は彼らの仲間で今はお金持ちの娘と結婚して裕福な暮らしをするベニー、性や病気、貧困の問題を抱えながらも必死に生きる8人の若者を描いた作品。
出会い
イーストヴィレッジのアパートで暮らすマークとロジャーは、家賃が払えず部屋の電気を止められてしまいます。旧友で大家のベニーから、ホームレスを立ち退かせてビルを建てようとしていることに、モーリーンがクリスマスに行おうとしている抗議ライブを中止してくれたら、これまで滞納している家賃を免除するという提案を受けます。
一方、元ルームメイトのコリンズは、マークたちの家に向かう途中、強盗にあってしまいます。通りかかりのエンジェルに助けられたコリンズは、お互いにHIVだということを知り意気投合。クリスマスイヴだというのに、将来を悲観して引きこもっているロジャーの元に、同様に家賃が払えず電気が止められてしまったミミがロウソクを求めて訪れます。
クリスマスの夜
クリスマス当日、元恋人であるモーリーンの抗議パフォーマンスの手伝いに来たマークは、モーリーンの彼女ジョアンヌと鉢合わせ、気まずい雰囲気になってしまいます。パフォーマンスは警察が介入し大混乱となったものの、大成功。成功とクリスマスの夜を祝うため、ライフカフェに集う仲間たち。一度は拒絶したものの、ロジャーはミミが自らと同じHIV感染者だと知り、心を許します。
新年
マークはクリスマスのパフォーマンス映像をニュース番組に投稿したことをきっかけに、ニュース番組との仕事の契約を結びます。またジョアンヌとモーリーンは結婚式を挙げ、仲間たちは順調に生活しているかと思われましたが、一方でエンジェルはエイズを発症してしまいます。
またミミも薬物依存から抜けられず、薬物を断つように説得するロジャーとすれ違う日々。
エンジェルの病状は日に日に悪くなり、ついには亡くなってしまいました。
エンジェルの死をきっかけに、ロジャーは現実と向き合うことが出来なくなり、マークとミミを残して家を出ていってしまいました。
1年後のクリスマスイヴ
家を出たロジャーは、ミミを想い、曲を書き上げます。ミミの元に戻る決意をしたロジャーはニューヨークに戻り、マークと再び暮らし始めます。しかし、ミミは行方をくらましており、なかなか見つけることが出来ませんでした。
ミミと出会ったクリスマスイヴからちょうど1年後のクリスマスイヴの日。
外から「ミミが倒れている!」というモーリーンの叫び声が聞こえます。
そこには衰弱しきって意識のないミミの姿がありました。ロジャーはミミを抱きかかえ、ミミのために作った曲を歌います。
するとミミは意識を取り戻し、「光の向こうでエンジェルがロジャーの元に帰るよう言ってくれた」と言うのでした。
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映画「RENT」のみどころ
みどころ①ミュージカル版のオリジナルキャストのキャスティング
なんと言っても、1996年のミュージカル版初演の際に出演していた、オリジナルキャスト6名がそのまま映画版にも出演しているところでしょう。
そもそもミュージカル版のキャストが映画版にもそのまま出演すること自体が珍しいことですが、初演から10年近く経ってからの映画化にもかかわらず、同じ役を演じられることが非常に稀有なキャスティングだと言えます。
ミミ役とジョアンヌ役については、映画化にあたり新キャストがキャスティングされましたが、オリジナルキャストと新キャストがうまく融合し、特に原作のファンにとっては嬉しい演出となりました。
みどころ②名曲「Seasons of love」
「RENT」はミュージカル作品ですので、本編中にたくさんの楽曲が出てきますが、中でも有名なのが、オープニングで披露される「Seasons of love」です。日本でもコーヒーのCMに使用されたこともあり、映画は観ていなくでも「この曲は知っている!」という方も多いのではないでしょうか。
こちらは日本で公演されたミュージカル版キャストによる企画動画です。
ケミストリーの堂珍義邦さんやソニンさんなどが参加されていますね。
「1年を愛ではかるのはどうだろう」と問いかけるこのナンバーですが、観ている人に強烈な印象を残すこと間違いなしでしょう。
まとめ
ミュージカルファンには根強い人気のある「RENT」ですが、扱っているテーマが重いこともあり、一般的な知名度はあまり高くないかもしれません。
気になる方は、楽曲多めのミュージカル映画に仕上がっているので、ミュージカルクリップ感覚でご覧になるのも良いかもしれません。また、1980年代のニューヨークの雰囲気が存分に楽しめる映画になっていますよ。